カメラータ・トウキョウ レコーディング・ニュース
 
イ・ソリスティ・ディ・ペルージャの協奏曲集
  2004年2月23〜26日 Museo di Santa Croce, Umbertide, Italy

 2月21日にライスターとのレコーディングをフェルトキルヒで終えて、22日は移動日、ブレンナー峠を超えて、950kmの道程をイタリアへ向かった。ペルージャから、19km先のウンベルティーデのホテルに着いたのは、イ・ソリスティ・ディ・ペルージャの演奏会が終わる頃。今回のレコーディングで取り上げる曲が演目となった演奏会は、いつもレコーディングに借りている美術館への感謝の意味を込めて開かれたもので、町の人で一杯。
 という訳で、レコーディングは翌23日の朝、9時半スタート。今回の曲目はソリストなし。団員のソロをフィーチャーして、このグループの多彩な才能を聴いてもらおうという計画。すべてがイタリアン・コンポーザによるもので、レコーディングの少ない、珍しい作品を取り上げた。
 
 Giovanni Battista Viotti : Primo Sinfonia Conceretante(ヴィオッティ:協奏交響曲 ヘ長調)
 編成は、2人のヴァイオリンに、2オーボエ、2ホルンと弦楽オーケストラ。このレコーディングでは、ルカ・アルチェーゼが第1ヴァイオリンのソリスト、パオロ・フランチェスキーニが第2ヴァイオリンのソロ。日本でも、ヴィオッティのヴァイオリン・コンチェルトは人気のある重要なレパートリーだが、カンタービレで、美しい旋律が魅力的だ。管楽器は、ミラノのスカラ座管弦楽団から、ソロ・オーボエ奏者、マルコ・フランカが来て吹くなど、演奏者も充実している。
 
 Gioachino Rossini : Quartetto No.2 A-dur(Arr.Meretti)
 古くからあるロッシーニの弦楽ソナタの編曲版。オリジナルは、2ヴァイオリン、チェロ、コントラバスの4声。これを、弦楽オーケストラか弦楽四重奏になおした版。カメラータには、ベルリン弦楽合奏団の全曲録音がある。
 
 Alessandro Rolla :Concertino per Alto e Archi Eb Magggiore ( Rev.P.Ciacci )
 これは昨年、草津音楽祭でセルジュ・コローが奏いたコンチェルト。ヴィオラのパガニーニと言われるロッラは、あまり広くは名前が知られていないが、イタリアの生んだ天才的演奏家、兼、作曲家。「イ・ムジチ」のレコーディングがあるだけで、まだ多くの録音がないのは少し残念。ソリストは、このオーケストラのスーパーソリスト、ルカ・ラニエリ。18分の比較的大きな曲で、パガニーニの師でもあり、イタリアの特別なカンタービレを持った美しい作品。
 
 Gaetano Donizetti : Concerto per violini e violoncello re minorre
 これも昨年、草津の音楽祭で演奏された。オペラ作曲家ドニゼッティの数少ない室内楽、コンチェルト作品の一つ。短い作品だが、3楽章で書かれ、チェロは高音ばかりが使われていて難曲の一つ。ソロはヴァイオリンにパオロ・フランチェスキーニ。チェロはマリア・チェチリア・ベリオリ。オーケストラには、2フルート、2ホルンが参加。このレコーディングが、最終日の26日、朝の9時からスタート。かなり強行軍だが、充実したセッションであった。

[★CDは2005年3月、CMCD-28072CMCD-28073として発売
イ・ソリスティ・ディ・ペルージャ
フランチェスキーニとアルチェーゼ
イ・ソリスティ・ディ・ペルージャ
 ヴィオッティ:協奏交響曲の録音
イ・ソリスティ・ディ・ペルージャ
録音場所は聖クローチェ美術館 
イ・ソリスティ・ディ・ペルージャ
 ロッラ:ヴィオラ協奏曲
イ・ソリスティ・ディ・ペルージャ
ルカ・ラニエリ 
イ・ソリスティ・ディ・ペルージャ
 食卓を囲むイ・ソリスティ・ディ・ペルージャ
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