- パノハ弦楽四重奏団によるアントン・ライヒャの2つの五重奏曲
- 2002年6月17日〜20日/ウィーン
- 4月のドヴォルジャークの弦楽四重奏曲のレコーディングに引き続いて、「パノハ弦楽四重奏団」による室内楽の録音はウィーンにて、ウィーン・フィルの2人のソリスト、ホルンのストランスキーとクラリネットのぺーター・シュミードルをソロにしたアントン・ライヒャ(Anton Reicha)の五重奏曲。
- レコーディングはいつものスタジオ・バウムガルテンで、6月17日より3日間。アントン・ライヒャは1770年にプラハで生まれ、1836年パリで亡くなった作曲家。15歳で、ボンのケルン選帝侯のオーケストラのフルート奏者に採用され、そこではベートーヴェンとも親交を結んだものと思われる。後にウィーンに移り、ナポレオンのウィーン侵攻後はパリに。パリ音楽院の教授をつとめ、ベルリオーズ、フランク、リスト、オンスロー等を教えた。
- 作品は交響曲から室内楽、ピアノ・ソロ、宗教曲までと幅広いが、とりわけ室内楽、特に管楽器を扱った作品では機知に富んだユニークな作品が多い。
- クラリネット五重奏曲は1820年に「ブライトコップ社」から出版されたもので、今日の楽譜はウィーンのムジークフェラインのアーカイヴにあるスコアによっている。
- ホルン五重奏曲は同じく1829年に「ブライトコップ社」から出版された作品で、作品番号106が付されている。ただし、五重奏曲といいながらコントラバスの独立したパートが“ad lib”として付いていて、コントラバスなしでは曲がそれらしく聞こえない。六重奏曲と呼ぶべきかとおもわれる。そのために、チェコフィルのコントラバス奏者、パヴェル・ネイテック(Pavel Nejtek)を招いてレコーディングされた。
- ウィンナ・ホルンでこの曲の第1楽章を演奏するのは至難の技。ストランスキーの名演に感服。良いレコーディングになったと自負している。
- [★CDは2003年7月、CMCD-28024として発売]
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