カメラータ・トウキョウ レコーディング・ニュース
2001年2月 ウィーン
 2月9日より予定されたカール・ライスターとフェレンツ・ボーグナーとの2枚目のフェルトキルヒ音楽院大ホールの録音はライスターの風邪のため急遽中止。4月に延期となったために、2月は19日よりいつものバウムガルテンに一週間集中しての録音で、偶然にもそのうち2枚は日本人の録音という事となりました。尚、下の写真は2月25日の楽友協会主催のウィーン・フィル演奏会。ブーレーズの指揮でマーラーの交響曲 第3番はコンマスにヒンクとシュトイデ、名演の一つに数えて良い優れたコンサートでした。
(プロデューサー井阪 紘)
ウィーン・フィル ウィーン・フィル

1)カリーン・アダム&ドリス・アダム
  2001年2月19〜20日 スタジオ・バウムガルテン、ウィーン

 二人のデュオは1983年のブラームスのヴァイオリン・ソナタ全曲で始まった。当時ドリス・アダムは19歳。そのドリスも今ではベーゼンドルファー・ピアノコンクールの優勝以来、ウィーン・フィル市立音楽院の教授としてローランド・バティック等と教えている立場にもなり、姉妹のデュオは今、ヨーロッパ中で活躍。今回はフォーレの2曲のソナタと小品収録の最初のセッションとなりました。
 今回収録されたのはヴァイオリン・ソナタ第1番で次回は5月の初めの予定。ピアノはスタインウェイ。
 写真は12月29日のパーティでの、姉妹と私のプライヴェート・フォトを公開します。(写真左がドリス、右がカリーン)
[★CDは2002年4月、28CM-670として発売]
ドリスと井阪 カリーンと井阪
2)井上直幸、ベートーヴェン「ディアベリ変奏曲」
  2001年2月21〜22日 スタジオ・バウムガルテン、ウィーン

 2月21日、22日の2日間を使って井上直幸による待望の「ディアベリ変奏曲」は3月26日はカザルスホールのリサイタルで弾くとあって、この録音に焦点をあわせてスイスで練習してウィーン入り。
 ベートーヴェンの「ディアベリ変奏曲」はどのピアニストにとっても一度は克服しなくてはいけない大曲なのだが、私自身、コンサートであまり楽しく聴いた覚えがないので、録る以上は気に入った、何か構えないで自然に音楽に入っていける演奏を井上と作れないか──と課題を持って望んだのだが、幾分はその目標を達したと思っている。
 後日、ポリーニとシュルツのパーティーでこの曲に話が及んだとき、同席にこの曲をソニー・クラシカルに録れたヴラダーもいて、話は1時間も論議となったが、私はポリーニのCDもさっそく購入。ポリーニには我々のCDを送る約束をした。皆さん、井上直幸の「ディアベリ変奏曲」乞うご期待。
 尚、ピアノは前回同様、同じスタインウェイを使用した。楽譜はヘンレ版で、第12変奏曲のみペータース版に従った。
 写真はウィーンの街中での井上直幸と、シュルツのパーティでのポリーニとヴラダー。
[★CDは2002年2月、28CM-655として発売]
井上 ポリーニ

3)藍川由美「ラジオ歌謡をうたう」
  2001年2月23〜24日 スタジオ・バウムガルテン、ウィーン

 この録音は藍川さんのホームページを見てもらった方が楽しく詳しいでしょう。そのアドレスを入れておきます。録音は2月22日ウィーン国立歌劇場の「オペルンバル」の翌日、2月23日と24日。バウムガルテンではじめて歌う藍川由美。伴奏は岡田知子。ピアノは続いて使用のスタインウェイ。
[★CDは2001年6月、28CM-640として発売]

藍川由実ホームページ http://www.jade.dti.ne.jp/~onodera/
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