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- (3)1999年12月20〜22日(スタジオ・バウムガルテン、ウィーン)
- ヴォルフガング・シュルツとシュテファン・ヴラダーの
- 「ヴィルティオーゾ・デュオ・ピース」
- フルート界のトップ奏者、ウィーン・フィルの顔であるヴォルフガング・シュルツのカメラータ4枚目の録音は、ソリストとして最近注目され2月にはリカルド・シャイー指揮コンセルトヘボウ管弦楽団のソリストとしても指名されるシュテファン・ヴラダーがパートナーです。フルートの作品の中でも、ピアノもフルートも一番難しいと言われる3曲を録音しました。
- テーマは「Introduction and Variation」。有名なシューベルトの「しぼめる花の主題による序奏と変奏曲 ホ短調 D.802」は、1824年フェルディナント・ボーグナーの依頼で作曲されたものですが、ボーグナーは翌年にはカール・ツェルニーにシューベルトと全く同じ形式で長調の作曲を委嘱しており、それが「Introduction, Variation and Finale, C-dur, Op.80」という曲です。この曲は2年前に草津の音楽祭でベートーヴェンがテーマになった時にシュルツに演奏を依頼した縁で、彼がこの曲をシューベルトとあわせてヴラダーと録りたいと申し出たのにOKを出した企画で、同じく1825年に作曲されたフリードリヒ・クーラウの「6 Variations」も加わり、興味尽きないアルバムが完成しました。
- ピアノパートの超絶的技巧を要求されるのも、この時代の鍵盤の小さかったことや軽く弾けたことからくる作品の特徴で、ヴラダーはこの録音の前日までウィーン交響楽団とベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番を3晩にわたって弾いており、結局自分のソロの録音を後に送って、この3曲に賭け、シュルツとの録音に望みました。ピアノはこのために運んだスタインウェイ。発売を楽しみにして貰いたい録音です。
- [★CDは2000年7月、CMCD-15053(旧28CM-593)として発売]
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