2008年3月アーカイブ

ヴォルフガング・シュルツ 「レコーディング・ニュース」ページに3月上旬のウィーン・レコーディングの様子を追加しました。

 今回ご紹介するのはヴォルフガング・シュルツ(フルート)とフランツ・バルトロメイ(チェロ)を中心としたレコーディングで、収録内容はモーツァルトのピアノ・ソナタ K.331とオーボエ四重奏曲 K.370を、ホフマイスターがフルート四重奏版に編曲したという珍しいもの。ヴァイオリンはシュルツの長女であり、カメラータ、カンパネラ・ムジカからCDを発売している"トリオ・ヴィエナルテ"ヴェロニカ・シュルツが弾いています。

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 カメラータからの3月新譜は3タイトルです。

CMCD-28160 1枚目は「ドビュッシーの時間:『忘れられた映像』『版画』『12の練習曲』/青柳いづみこ」(CMCD-28160)。ピアニストとしての演奏活動はもちろんの事、音楽やピアノに関する多数の著作も出版するなど、多彩な活動で知られる青柳いづみこ。カメラータから初となる今回のアルバムは没後90周年を迎えるドビュッシー。本アルバムのリリースのほかに、浜離宮朝日ホール(東京)にて「ドビュッシー・シリーズ ふたたび」と題した計4回にわたるコンサートを同時にスタートさせ、「ドビュッシーの時間」(春秋社)も刊行するなど、注目の新譜となっています。
 コンサート、著作などに関する情報は青柳いづみこの公式ページでご覧になれます。

CMCD-28152 2枚目は「旋回舞踊─超絶技巧ソロ 佐藤俊介 プレイズ 西村 朗/西村 朗 弦楽器作品集【西村 朗 作品集 12】」(CMCD-28152)。先日、「幻影とマントラ」(CDはカメラータから発売中)尾高賞を受賞した西村 朗の無伴奏のヴァイオリン曲とヴィオラ曲の全てを収録した最新作です。
 演奏は2007年にグリーグのソナタ集CDで文化庁芸術祭レコード部門の大賞を受賞した新進気鋭のヴァイオリニスト、佐藤俊介。西村は2004年頃に佐藤の演奏に出会い、「その類まれな音楽性と驚嘆に値する卓越した技巧に熱く魅せられ」、即作曲に取りかかったと語っています(ライナーノーツより)。現代音楽の第一人者、西村が生み出す神秘的な音の世界と、若き俊英、佐藤の息を呑むような超絶技巧が融合した要注目のアルバムです。

CMCD-28148 3枚目は「この道─ふるさとの歌/河野克典」(CMCD-28148)です。かのフィッシャー=ディースカウより「素晴らしい解釈と驚くべき集中力」と称賛され、ヨーロッパでの声楽コンクールでも第1位を獲得するなど、ドイツ・リートの第一人者として国内外で活躍する河野克典(バリトン)ですが、今回はタイトル通り、日本の名曲ばかりを集めたファン待望の心温まるアルバムです。大人から子供まで、是非とも多くの人に聴いていただきたい1枚に仕上がりっています。

JPBX-13808JPBX-13809JPBX-13810

 3月発売の新譜より「ドリームタイム」のDVDを3タイトルご紹介します。

 1タイトル目は「パールマンの芸術 II〜コンサート・フォー・ピース・シリーズ」(JPBX-13808)。ヴァイオリン奏者として有名な イツァーク・パールマンが指揮者としても一流であることを実感させてくれるライヴ映像です。弾き振りのモーツァルト、そしてシューベルトの大交響曲「ザ・グレイト」もたっぷり味わえる1枚です。

 2タイトル目は「リヒテル/J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲 第5番〜モスクワ音楽院ライヴ1978」(JPBX-13809)。ソ連時代、"鉄のカーテン"政策によって"幻のピアニスト"と言われたスヴャトスラフ・リヒテル。後に国外での演奏活動も解禁され、各国でファンを獲得したリヒテルが、1978年にモスクワ音楽院で演奏した「ブランデンブルク」などを収録した映像です。

 3タイトル目は「ギル・シャハム&エティンガーの芸術〜コンサート・フォー・ピース・シリーズ」(JPBX-13810)。ヴァイオリニスト、ギル・シャハムのアキュレートな演奏をとらえた映像。ハイドンとブルッフの協奏曲、バッハの無伴奏、ベートーヴェンの「英雄」と、多彩なプログラムをお楽しみいただけます。

 以上3タイトル、通常のCDと同じコンパクトなジュエルケース仕様でのリリースです。

 CMSB-28019 ジャズの「スイングブロス」レーベルから3月に登場する新譜は「ベートーヴェン・イン・ジャズ/レイ・ケネディ・トリオ」(CMSB-28019)。
「モーツァルト・イン・ジャズ」「バッハ・イン・ジャズ」「バロック・イン・ジャズ」に続く、大好評の【クラシック・イン・ジャズ】シリーズの第4弾、今回はベートーヴェンがテーマです。ベートーヴェンのおなじみのメロディーがどんなスウィンギーなナンバーに変身しているのか──ぜひ皆さんの耳でお確かめください。

高橋アキ ピアニストの高橋アキが、2007年度(第58回)の芸術選奨文部科学大臣賞(音楽部門)を受賞しました
 贈賞理由として、2007年9月、マーク・サバット(ヴァイオリン)、ロハン・デ・サラム(チェロ)らと共に行った「モートン・フェルドマン/トリオ」での演奏、そして同9月にカメラータからリリースされたアルバム「シューベルト:ピアノ・ソナタ D.960 & D.664」(同年9月発売/CMCD-28141)における優れた演奏が挙げられました。
 高橋アキは「聴き手の心へ届く音楽を追い求めるうち、ようやく古典の世界にたどり着きました」と読売新聞(2008年3月1日)の紙上で受賞の感想を述べています。
 ジョン・ケージ作品の演奏等で、これまで一般的に認識されてきた"高橋アキ=現代音楽の第一人者"というイメージを覆すシューベルトのソナタ・アルバムは、現在も各方面で高い評価を受けています。

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