カメラータからの3月新譜は3タイトルです。
1枚目は「ドビュッシーの時間:『忘れられた映像』『版画』『12の練習曲』/青柳いづみこ」(CMCD-28160)。ピアニストとしての演奏活動はもちろんの事、音楽やピアノに関する多数の著作も出版するなど、多彩な活動で知られる青柳いづみこ。カメラータから初となる今回のアルバムは没後90周年を迎えるドビュッシー。本アルバムのリリースのほかに、浜離宮朝日ホール(東京)にて「ドビュッシー・シリーズ ふたたび」と題した計4回にわたるコンサートを同時にスタートさせ、「ドビュッシーの時間」(春秋社)も刊行するなど、注目の新譜となっています。
コンサート、著作などに関する情報は青柳いづみこの公式ページでご覧になれます。
2枚目は「旋回舞踊─超絶技巧ソロ 佐藤俊介 プレイズ 西村 朗/西村 朗 弦楽器作品集【西村 朗 作品集 12】」(CMCD-28152)。先日、「幻影とマントラ」(CDはカメラータから発売中)で尾高賞を受賞した西村 朗の無伴奏のヴァイオリン曲とヴィオラ曲の全てを収録した最新作です。
演奏は2007年にグリーグのソナタ集CDで文化庁芸術祭レコード部門の大賞を受賞した新進気鋭のヴァイオリニスト、佐藤俊介。西村は2004年頃に佐藤の演奏に出会い、「その類まれな音楽性と驚嘆に値する卓越した技巧に熱く魅せられ」、即作曲に取りかかったと語っています(ライナーノーツより)。現代音楽の第一人者、西村が生み出す神秘的な音の世界と、若き俊英、佐藤の息を呑むような超絶技巧が融合した要注目のアルバムです。
3枚目は「この道─ふるさとの歌/河野克典」(CMCD-28148)です。かのフィッシャー=ディースカウより「素晴らしい解釈と驚くべき集中力」と称賛され、ヨーロッパでの声楽コンクールでも第1位を獲得するなど、ドイツ・リートの第一人者として国内外で活躍する河野克典(バリトン)ですが、今回はタイトル通り、日本の名曲ばかりを集めたファン待望の心温まるアルバムです。大人から子供まで、是非とも多くの人に聴いていただきたい1枚に仕上がりっています。