カメラータ・トウキョウ レコーディング・ニュース
 
ライスターとボーグナーによる20世紀の作品
  2006年 2月 9日〜12日 フェルトキルヒ、オーストリア

 カール・ライスターの10枚目のフェルトキルヒのレコーディングは、20世紀の作品で、Bernstein、Horovitz、Honegger の3曲。西村 朗のクラリネット・コンチェルトで、新しい作品の演奏にも積極的になったライスターが改めて、JAZZの影響を受けた20世紀の作品に取り組んだ意欲作で、乞う、ご期待。ピアノはフェレンツ・ボーグナー。音楽院のホール、ピアノはベーゼンドルファー・インペリアル。
(井阪 紘)

 【収録曲】
 (1) Leonard Bernstein : Sonata for clarinet and piano (1941-1942)
 (2) Josef Horovitz : Sonatina for clarinet and piano (1981)
 (3) A. Honegger : Sonatina for clarinet and piano (1921)

[★CDは2008年5月25日、CMCD-28156として発売]
ライスター
カール・ライスター
ライスター
 フェレンツ・ボーグナー(手前)
ライスター
収録の様子
ライスター
 モニタールームでプロデューサーの井阪と
 撮影:高島靖久(右下写真)
 
ブラームスとツェムリンスキーのクラリネット・トリオ
  2006年 2月13日〜18日 フェルトキルヒ、オーストリア

 13日から、チェロに Imke Frank を迎えて、ブラームスとツェムリンスキーのクラリネット・トリオの2曲をレコーディング。
 ツェムリンスキーが19歳で書いた、作品3のクラリネット・トリオですが、まるで、オーケストラ曲を思わせる構想で難しく、さすがのライスターも「どこで息を取れば良いか、井阪、教えろ!」なんて僕に聞く始末です。
 ブラームスが同じ編成、クラリネット、チェロ、ピアノでトリオを書いていますが、ブラームスはこの形の作品が少ないのを危惧し、賞金を出して作品を募集。この曲は当時19歳のツェムリンスキーが応募した曲で、ブラームスの審査で3等賞だったそうです。ブラームスのトリオと大いに関係があり、面白く、そしてまじめに書かれた良い曲です。
 ブラームスのトリオは、ライスターは4度目の録音。僕たちはシュミードルで、満足の行く最高のレコーディングをしていますが、やはり、ライスターのブラームスもわがレーベルにも残しておきたい一心で、このツェムリンスキーの作品3との組み合わせにたどり着きました。
 Imke Frank さんは、ハインリッヒ・シフの弟子で、現在、ここフェルトキルヒの音楽院で教えてます。ジャンドロンとよく似たスタイルのチェリストで、僕は好きなタイプ。楽しく仕事をさせてもらいました。
(井阪 紘)

ライスター
トリオの収録
ライスター
 
ライスター
モニタールームの様子
ライスター
 写真左から、ボーグナー、Imke Frank、
 ライスター
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