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- 西村 朗「天空の蛇」の収録
- 2004年9月17日 ロイトリンゲン
- 2002年〜2004年にかけて、南ドイツのロイトリンゲンに本拠を置くヴュルテンべルク・フィルハーモニー管弦楽団と日本人の3人のソリストが録音した西村 朗の協奏曲集(CMCD-28058)は9月20日に上梓したばかり。
- その後続となる2枚目のアルバムの初録音が、9月17日、同オーケストラ練習場で、音楽監督である飯森範親の指揮、ソリストに赤尾三千子を迎えて行われた。日本の3種類の笛を扱った「天空の蛇」という協奏曲である。
- この作品は1993年に西村が赤尾三千子のために作曲、日本フィルハーモニー管弦楽団で初演されて以来、赤尾以外の人では演奏できないため知られていない作品だったが、10年を経て西村氏が冒頭と終結のオーケストラ部分を改作し、録音の運びとなった。
- 3種類の笛とは、篠笛、能笛、竜笛で、篠笛は長・短の2種類が使用されている。タイトルにある蛇(Serpent)とは、西村氏の解説によれば「宇宙と大自然に流れる永遠のみえざる力であり時間の象徴。と同時に生命と死と再生の象徴」という事になる。編成はピアノ、ハープ、打楽器4人と弦楽からなる。
- 神や死者の霊に働きかけるといわれる能楽の最高音の「ひしぎ」等が随所に活用され、20日のコンサートではドイツ人の聴衆に事前に曲想の説明があった事もあって感銘を与えたようだ。
- [★CDは2007年10月、CMCD-28147として発売]
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