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- ウィーン楽友協会所有楽器によるコンサート・シリーズをカメラータで録音
- 2004年4月14日〜17日 ウィーン楽友協会・ガラスのホールと石のホール
- ウィーン楽友協会のアーカイヴ(Archiv)の責任者であり、世界的なモーツァルトの専門家でもある、オットー・ビーバ博士の要請により、昨年より始まった楽友協会の所有する楽器のコンサート・シリーズをカメラータで録音するプロジェクトが始まった。
- 昨年より始まった楽友協会の所有するこの楽器のシリーズは“Nun klingen sie wieder”(古の響今ふたたび)と題され、昨年はラジオ・シュテファンがライブ録音して全コンサートを放送し話題になった。その音源を使ってビーバ博士が監修し1枚のCDにまとめたものも、当社より既にヨーロッパで先行発売され注目を集めている。国内では今日の録音とタイミングを見て発売の予定である。
- 今年はリストが弾いていたというハーモニウムフリューゲル(Harmoniumflügel)の歴史的な修復によるコンサートのプログラムが話題で、新しく楽友協会の地下に出来たホール、ガラスのホール(Gläserner Saal)と石のホール(Steinerner Saal)、を使って4月14日から17日の4日間をかけて古楽器の音を収録した。
- リストがこの楽器のために作曲ないし編曲した楽譜がプダペスト版では一冊に収められている。ユニバーサル版のリスト、オルガン作品集には第4巻にもかなりの作品が入っているが、楽器そのものはベルリオーズの口利きにより1853年パリで制作された。ピアノの部分はエラール(Erard)が使われている。
- 重さが1,250キロもあり〈オルゲルクラヴィーア〉とも呼べるこの楽器は、基本的にはハーモニウムが中心で、その上にグランド・ピアノが乗っているものである。音響的にはそれほど大きな音はせず、むしろピアノとハーモニウムの一体化した音色を求めている。ともかく、ウィーンではテレビでも紹介され注目の楽器デビューとなった。1940年頃までは時々使用され演奏会にも使われていたと言うが、今回は60年ぶりにその音が蘇ったという訳だ。オルガニストのハッセルベックも初日から客として訪れていて、初めて聴くこの楽器に興味以上のものを抱いたと話してくれた。
- なお、演奏者の ジョリス・ヴェルディン(Joris Verdin)はディアパソン誌でセザール・フランクのオルガンのCDが絶賛されている。ベルギーで楽器の修復と共に数年試し弾きをして来たと言う。
- また、数曲はリストの「ハンガリー戴冠式ミサ」より“オッフェルトリウム”と“ベネディクトゥス”、ワーグナーの“ローエングリン”など、ヴァイオリン・ソロを伴うものがある。これらはモザイク・カルテットのリーダーであり、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスのコンサート・マスターでもあるエーリッヒ・ヘーバルトが1847年のニコラ・コーサン(Nicolas Caussin)を使って演奏した。
- [★第1弾はCMCD-25027、今回分は第2弾のCMCD-25030として2005年4月に発売]
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