カメラータ・トウキョウ レコーディング・ニュース
 
クレメンティ:フルート・ソナタ集/西田直孝、クラウディオ・ブリツィ、フランチェスコ・ペピチェッリ
  2003年6月27日〜29日 Museo di Santa Croce, Umbertide, Italy

 クラウディオ・ブリツィのクラヴィオルガンのレコーディング・シリーズの一環に組み込まれる、この楽器を使うのに相応しい、クレメンティのフルート・ソナタ(大半はチェロを伴う)を、日頃から草津音楽祭などで共演して仲の良い音楽仲間の西田直孝を誘って、イタリアで、いつもカメラータのレコーディングでお馴染みのウンベルティーデ、サンタ・クローチェで録音した。
 チェロには、テルニに住む、ペルージャ音楽院の室内楽の教授で、日本でもカザルスホールやサントリーホールでリサイタルをおこなったこともある、フランチェスコ・ペピチェッリ(Francesco Pericelli)が参加。
 2000年になって、ようやく出版されたクレメンティの楽譜は、現在、“Provincia Di Bologna Assessorato Alla Culturura”の協力で、“PIANO DELL'OPERA”(「全ピアノ作品集」とでも訳すのでしょう)という形で、60冊の楽譜にまとめて出版されている。
 フルートを伴った作品は、都合25曲ほどあり、その中から、以下の6曲が選択された。

  ソナタ 1,2〜「3つのソナタ 作品21」より
  ソナタ 1,3 "La Chasse"〜「3つのソナタ 作品22」より
  ソナタ 作品31
  ソナタ 3 〜「3つのソナタ 作品2」より

 楽譜の指定は、“Per Pianoforte e Clavicembalo con accompagnamento di Flauto”と書かれていて、クラヴィチェンバロ、またはピアノとあるが、この「ピアノ」は、今日のピアノでは決して弾けないほど難しい。
 クレメンティはモーツァルトより4年早い1752年1月23日ローマ生まれ。長生きをして、シューベルトよりも後の1832年に亡くなった。その時代、ピアノはもっとチェンバロに近く、鍵盤は幅も狭く、かつ軽いアクションだったと思われ、古楽器の復元か、もしくは今回のように、クラヴィオルガンを使うのが、時代様式も合っていて適切な選択と思われる。

[★CDは2004年1月、CMCD-28035として発売]
クレメンティ:フルート・ソナタ
写真左より、ブリツィ、西田、ペピチェッリ
クレメンティ:フルート・ソナタ
クラヴィオルガンを使っての録音風景
クレメンティ:フルート・ソナタ
収録後〈ミューズ・デ・サンタ・クローチェ〉で記念撮影
クレメンティ:フルート・ソナタ
Luca Signorelli の絵画と西田直孝
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