- 西村 朗、作品集 2題
- (1)サクソフォン協奏曲〈魂の内なる存在〉(1999) Saxophone Concerto "Esse in Anima"
- 2002年4月6日 REUTLINGEN
- この曲は(財)東京オペラシティ文化財団の委嘱により、1999年7月1日東京オペラシティ・コンサートホールで、今回、レコーディングした須川展也(サクソフォン)とNHK交響楽団によって初演され、2001年には、シャルル・デュトワの指揮で、NHK交響楽団によって2度再演されている。したがって、今回がレコーディングとコンサートを併せ4度目の演奏となる。
- 飯森範親氏がヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団(Wuertembergische Philharmonie, Reutlingen)の音楽監督(GMD)に今シーズンから就任して初めての企画に、西村 朗の作品を取りあげ、それを助ける意味でも、また、この作品をいい形で多くの人に聴いてもらうためにも、西村氏の強い希望に添って、セッション・レコーディングを計画。録音には、広くて音響的にも評判の良いオーケストラの練習場を使用した。25分のこのコンチェルトに、2セッション(6時間)が使われ、オーケストラも良く作品を理解してついてきてくれた。
- 西村氏はこの曲について「これは人間の魂の存在をめぐっての一種の瞑想曲である。」と語り、「独奏パートはひとりの人間の心理的光景の表象である。」と述べている。須川展也の天才的名演と、見事に一体となったオーケストラの演奏。多くの人がこの作品と、素晴らしい演奏を楽しめるに違いないと確信している。
- [★CDは2004年9月、CMCD-28058として発売]
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写真前列左より飯森範親氏、西村 朗氏、須川展也氏 |
- (2)「ヴィシュヌの化身」
- 2002年3月27日、28日 三重県総合文化会館
- 3月27日、28日と三重の三重県総合文化会館にて、西村 朗の新作で、“Music from Japan”(New York)で初演されて話題になった曲「ヴィシュヌの化身」を、高橋アキのピアノ・ソロにて録音した。
- 曲のタイトルには、ヒンドゥー教の神ヴィシュヌの化身、AVATAR にちなんだ6つの名前がついている。
- I. Matsya(マツヤ/魚) II. Kurma(クールマ/亀) III. Varaha(ヴァラーハ/猪)
- IV. Nrsimha(ヌルシンハ/人獅子) V. Vamana(ヴァーマナ) VI. Kalkin (カルキン)
- それぞれに固有のストーリーがある。が、作曲者はそのストーリーにインスピレーションを得て、自由なファンタジーによって創作を試みた──と語っている。
- コンサートでの演奏は80分を越える大曲。12月、アキさんのリサイタルに間に合うタイミングで発売予定。
[★CDは2002年11月、CMCD-15024〜5として発売]
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演奏中の高橋アキさん |
西村 朗氏(左奥)と打ち合わせをする高橋アキさん(左手前) |
左より、館長と県知事の北川氏、井阪、西村氏 |
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