- ブリツィ、インデアミューレ、イ・ソリスティ・ディ・ペルージャ
- 2002年2月3日〜9日 Museo di Santa Croce, Umbertide, Italy
- レコーディングはこのところ、Umbertide市の協力があって、Museo di Santa Croce, Umbertideで継続的に録音が許されていていて、今回もここでヴィヴァルディの室内楽的な作品を6曲収録した。
- いつもの顔ぶれ、トーマス・インデアミューレ、クラウディオ・ブリツィ、イ・ソリスティ・ディ・ペルージャに加えてミラン・トゥルコヴィッチとヴォルフガング・マイヤーが参加しての豪華な顔ぶれで、しかも、皆が古楽器を知り尽くした名手たちと言うのも、この録音にかける意気込みを感じるとともにレコーディングの意義は高い。
- クラウディオ・ブリツィはこの録音に今年1月7日に完成したばかりの、"Claviorgan"(New Grove に記載あり)というハイドン時代にあった楽器を復元して使用。これは、ファブリアーノにあるオルガン製作者グイド・ピンキーの息子クラウディオ・ピンキーの労作で、制作されたものは、チェンバロの鍵盤がオルガンに連動していて、且つ、足つきのペダルも同時に使用が可能。演奏上の鍵盤操作では、オルガンは押していないと音が出ない。反対にチェンバロは鍵盤を押した瞬間に爪で弦を引っかくという、まったく違った操作が、瞬間的に要求されるもので、天才的反射神経の持ち主、クラウディオにしか、演奏できないかも…。
- 楽器は新しいマイクロ木工と金属の技術があって、イタリアの精巧な職人の仕事の見事さを見せられ、私は本当に感嘆。おそらく、オリジナルの楽器を遥かに越えたものに違いない。したがって、この楽器のソロを初めて録音することも、今回、大切なプロジェクトで、それも同時にスタートして、
- Bach: Italian Concerto F-major" BWV. 971
- Bach: Choral "Christ, der du bistder helle Tag" BWV.766 を収録した。
[★CDは2003年1月、CMCD-28012として発売]
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Umbertideの町並み。中央は"Mazzini"
という古い取引所。 |
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クラヴィオルガン |
- All Vivaldi/ Chamber Music Master Pieces(2月3〜 7日)
- (1) Sonata C-major RV.779 for oboe, violin, bassethorn and bass continue
- これは草津で昨年演奏した曲で、オリジナルはシャリュモーという楽器に書いた曲。ヴィヴァルディはドイツのドレスデンあたりで初めて、この楽器に接して、bassoの代わりに使ったものとおもわれる。録音メンバーも草津と同じ顔ぶれで、ヴォルフガング・マイヤーはこのために、カールスルーエから飛んで来てくれた。
- (2) Concerto F-major RV.462 F.VII 19 for oboe, two violins, viola and bass continue
- この曲は1992年になって Ricordi より "New Critical Edition" として出版されたもの。オーボエ協奏曲だが、室内楽の作品とおもわれる。弦にイ・ソリスティ・ディ・ペルージャのメンバ−が加わって、ミランとブリツィのバッソ・コンティヌオは快適。
- (3) Concerto F-major "La tempesta di mare" F.XII-28
- (4) Concerto g-minor "La notte" F.XII-5
- (5) Concerto D-major "Il Gardellino" F.XII-9
- ヴィヴァルディが初めて出版したフルートの曲集と言われている作品10。俗に「海の嵐」と最初の曲から呼び名がついている協奏曲。その室内楽用の版があって、今回はそれによってレコーディングされた。
- フルート・コンチェルトの作品10は6曲からなっているが、全てはソロ・フルートと弦楽。この室内楽版は (3)「海の嵐」はフルート、オーボエ、ヴァイオリンにファゴットを含むコンティヌオ。(4)「夜」は、フルート、ファゴット、ヴァイオリン2、チェロ、コントラバス、それにコンティヌオ。(5)「ごしきひわ」では、再びフルート、オーボエ、ヴァイオリンにファゴットを含むコンティヌオの編成に戻る。フルートに今回、イタリアのフィレンツェで活躍している Mario Ancillotti を迎えて録音した。
- (6) Concerto g-minor F.XII-6
- 編成はフルート、オーボエ、ヴァイオリンにファゴットを含むコンティヌオ。ヴィヴァルディのコンチェルトとしては作品44-3 として知られている。
[★CDは2004年4月、CMCD-28019として発売]
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Sonata C-major RV.779 |
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バセットホルンを演奏するマイヤー |
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ペルージャのメンバーとブリツィ
インデアミューレ |
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トゥルコヴィッチ |
モニタールームの様子(写真右)
カーニバルの衣装をまとった子供たち(写真下)
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