カメラータ・トウキョウ　レコーディング・ニュース

5月4日〜5日　　林 光　ソング集　『魚のいない水族館』 　久しぶりの国内録音です。連休の5月4日〜5日の2日に渡って、山梨県の甲府市から20分ほどの白根町、桃源文化会館で、藍川由美の歌う「林 光 ソング集」が、作曲家自身のピアノ伴奏によって録音されました。 　ただし、林 光の歌曲と言っても、音楽の友社や全音で出版されている日本歌曲ではなく、氏が永年書いて来られた芝居の音楽、特にブレヒト劇や佐藤 信、斎藤 憐といった作家とのコラボレーションから生まれた曲ばかりを集めたもので、数曲を除いては未出版の作品ばかりです。 　カメラータのカタログには林光の歌では、フルートの中川昌三と藍川由美による「道」「子供と線路」「空」がすでに録音されていますが、これとは一線を画した楽しく、かつ興味深い、林光らしい軽妙な歌が集められていて、作曲者自身のピアノ録音（林氏はピアニストとしても著名で、自作のフルート・ソナタを林りり子と共演した録音もあった）も、本人の弁によれば、多分これが最後との旨。でも、益々快調で、見事な演奏でした。 　収録曲は以下のリストで、今回もレコーディング・エンジニアは藍川由美さんお気に入りの宮田基樹が担当。こちらの方も満足のいくもので、来春の発売が待たれるものと期待しています。　　（プロデューサー　井阪 紘） 　 林 光 ソング集　『魚のいない水族館』 　1）花の歌（佐藤 信：詞）「ゲバラが髭をそる朝」1967 「皇帝ジョウンズ」1967（佐藤 信：詞）より 2）舟歌 3）運命のジャズ 4）強いものの権利について 　5）舟の歌（佐藤 信：詞）「おんなごろしあぶらの地獄」1969 　6）雨に濡れた木馬（佐藤 信：詞）1975？ 　7）魚のいない水族館（佐藤 信：詞）「ブランキ殺し・上海の春」1976 「ワルシャワ労働者のうた」1982（佐藤 信：詞）より 8）うた 9）ねがい 　10）銀河の底でうたわれた愛の歌（広渡常敏：詞）「銀河鉄道の夜・ソング集」1982 「トラストD・D」1969（斎藤憐：詞）より 11）壁のうた 12）行ってしまったあんた 　13）たたかいの中に（高橋正夫：詞）1952 　14）欠陥（ブレヒト→林 光：詞）1967 「セチュアンの善人」1968より 15）けっして来ない聖者の日（ブレヒト→林 光：詞） 16）八匹めの象の歌（ブレヒト→長谷川四郎：詞） 　17）すべてか無か（ブレヒト→林 光：詞）「コミューンの日々」1971 　18）告別（カストロ→林 光：詞）1976 　19）新しい歌（ロルカ→長谷川四郎：詞）1981 　20）ばらを植えよう（ポーランド古謡→工藤幸雄：詞）1986 　［★CDは一部収録曲を変更、28CM-630として発売］

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