日本の音楽界を代表する作曲家のひとり、三木稔氏が12月8日に逝去されました。81歳でした。
三木氏は1930年徳島市生まれ。東京芸術大学卒。在学中、池内友次郎・伊福部昭に師事しました。「日本史オペラ9連作」として、37年の年月をかけたライフワークである『春琴抄』『あだ』『じょうるり』『ワカヒメ』『静と義経』『隅田川+くさびら』『源氏物語』『愛怨』『幸せのパゴダ』を次々と発表し、音楽を通じ日本史各時代の精神に迫りました。
1964年に創立した日本音楽集団では音楽監督としても活動、『ダンス・コンセルタント』『わ』『巨火』『コンチェルト・レクイエム』など多くの作品を送りだしました。また1979年に弊社からリリースされた4枚組のLPアルバム『野坂恵子・三木稔/二十絃箏の世界』では芸術祭優秀賞を受賞しました。
管弦楽作品では、中国琵琶のシズカ楊静(ヤン・ジン)とオーケストラによる『琵琶協奏曲』や、邦楽器とオーケストラを結ぶ大作『鳳凰三連』(序の曲・破の曲・急の曲)などを発表。これらの作品は日本のみならず世界各地でもたびたび上演されました。
ほかにも歌曲集『のはらうた』や『ベロ出しチョンマ』、『レクイエム』や『もぐらの物語』などの合唱作品、映画音楽では『愛のコリーダ』などを発表するなど、幅広いフィールドで作品を発表しつづけました。
1991年に徳島県文化賞、1994年に紫綬褒章、2000年に旭日小授章を受章。2007年によんでん芸術文化賞、2009年に福岡アジア文化賞の芸術・文化賞(日本人で初受賞)を受賞するなど、三木氏の精力的な作曲活動は各方面から高く評価されました。
弊社スタッフ一同、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
[カメラータ・トウキョウの三木稔ディスコグラフィー]
●琵琶協奏曲/三木 稔 選集 VII(CMCD-28036)
●レクイエム、もぐらの歌/三木 稔 選集 VI(30CM-529)
●オペラ「ワカヒメ」(作・台本:なかにし礼)/三木 稔 選集 V(30CM-443〜4)
●鳳凰三連/三木 稔 選集 IV(15CM-223〜4)
●「のはらうた」「ベロ出しチョンマ」/三木 稔 選集 III(28CM-143)
●コンチェルト・レクイエム/三木 稔 選集 II(CMCD-50015)
●〈四季〉ダンス・コンセルタント/三木 稔 選集 I(CMCD-50002)
●竹籟五章/三橋貴風[尺八](30CM-303)
●タクシーム/吉村七重[二十絃箏](25CM-208)
■その他の作品、楽譜などに関する情報は三木稔氏の公式ページでご覧になれます。