2011年5月アーカイブ

 カメラータの6月新譜(5月25日発売)2タイトルをご紹介いたします。

CMCD-99062〜6 1枚目は『ハイドン:2つのリラ・オルガニザータのための協奏曲全集&ノットゥルノ全集(フルート、オーボエと室内管弦楽版)/シュルツ、インデアミューレ、カメラータ・シュルツ』(CMCD-99062〜4)。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団首席ヴォルフガング・シュルツ(フルート)が、「リラ・オルガニザータ」という楽器のために作曲されたハイドン作品をフルートとオーボエに置き換え演奏。「リラ・オルガニザータ」は当時のナポリ王、フェルディナントIV世が愛好した楽器で、ハイドンへ作曲を依頼しこのアルバムに収められた作品が献呈されました。いずれも古典派の形式美にあふれ、ハイドンらしいオーケストレーションと素朴で愛らしい旋律は、聴き手に至福のひとときもたらします。さらに、ノットゥルノでは、あのエルンスト・オッテンザマーの2人の息子たちが豪華共演。長男ダニエル・オッテンザマーは現在ウィーン・フィル、弟アンドレアス・オッテンザマーはベルリン・フィルでそれぞれ首席クラリネット奏者を務めています。名手トーマス・インデアミューレ(オーボエ)、シュルツ・ファミリーを中心としたカメラータ・シュルツら豪華メンバーと共に奏でるハイドンの名作をぜひお聴きください。

CMCD-28237 2枚目は『新実徳英:ヴァイオリン協奏曲 第2番〈スピラ・ヴィターリス〉〜管弦楽作品集』(CMCD-28237)。日本の現代音楽界を代表する作曲家のひとり、新実徳英による作品集の管弦楽作品を集めた最新作です。2009年に誕生した「ヴァイオリン協奏曲 第2番〈スピラ・ヴィターリス〉」。スピラ=螺旋、ヴィターリス=生命と題されたこの作品は、宇宙の銀河系や地球の自転、公転、そして私たちの人体にあるDNAの構造など、あらゆる生命体にみられる「螺旋」を音楽の形式と作品コンセプトに結びつけた、新実の意欲作です。渡辺玲子(ヴァイオリン)入魂の演奏も必聴。他に新実の管弦楽作品2曲をカップリング。生命力あふれる音とリズムが聴き手を包み込む、新実のヴィヴィッドな3作品を堪能できるアルバムです。

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 1980年代に入り、カメラータ・トウキョウはウィーンでレコーディングを行うための環境を徐々に整備し、同時に現地の演奏家たちとの信頼関係を少しずつ築き上げてきました。これまで皆さんにお届けしてきた数多くの"ウィーン発"のアルバムは、そのような地道な作業の積み重ねの上に生まれてきた、まさにカメラータならではのアルバムです。
 特別企画【カメラータ・ウィーン・レコーディングズ】は、「カメラータ」レーベル創設30周年を記念し、当レーベルがウィーンで行なってきた数々のレコーディングの中から名盤・貴重音源をチョイスし、お求めやすい価格でお届けする好評のシリーズです。
 シリーズ第3弾となる今回は4タイトル。まずはウィーン・フィルの管楽器奏者たちから指導を受ける若手演奏家を集めて結成されたフィルハーモニック・ウィンド・オーケストラ・ウィーンカール・ヤイトラー(指揮)によるアルバムが3タイトル。ウィーン・フィルからハンス・ペーター・シュー(トランペット)、ギュンター・ヘーグナー/ヴィリバルトロナルド・ヤナシュッツ/フォルカー・アルトマン/ラルス・ミヒャエル・ストランスキー(ホルン)といった豪華ゲストお迎え、ウィーンならではの柔らかく美しい音色ブラス・サウンドを聴かせます。もう1つのタイトルは、世界屈指のファゴット演奏として知られるミラン・トゥルコヴィッチ(指揮)がオーストリア放送交響楽団木管アンサンブルを率いたアルバム。近年は指揮者としての活動も目覚ましいトゥルコヴィッチが、その才能を開花させた初めてのアルバムといってもよいでしょう。
 ウィーンのアーティストによるウィーンならではの作品をぜひお楽しみください。

●ラデツキー行進曲/フィルハーモニック・ウィンド・オーケストラ・ウィーン&ヤイトラー
(CMCD-15124)
●ラデツキー行進曲/フィルハーモニック・ウィンド・オーケストラ・ウィーン&ヤイトラー
(CMCD-15125)
●ロマンティック・ブラス/フィルハーモニック・ウィンド・オーケストラ・ウィーン&ストランスキー 他
(CMCD-15126)
●R・シュトラウス&ドヴォルジャーク:管楽セレナード/トゥルコヴィッチ&オーストリア放送交響楽団木管アンサンブル
(CMCD-15127)

CMCD-28221 4月25日に発売されましたカール・ライスターの最新盤、『カール・ライスター プレイズ 西村 朗』(CMCD-28221)が『レコード芸術』6月号「新譜月評」のコーナーにて【特選盤】に選ばれました。
 誌面では、佐野光司氏から「(〈カヴィラ[天界の鳥]〉は)音響の運動より、音響そのものへの眼差しがオーケストラにあり、クラリネットはそこから飛翔する、まさしく鳥のように自在な運動をする。西村のクラリネット作品の傑作である(中略)」と、長木誠司氏からは「(ライスターの)引き締まった音色の深みから出てくる悠然とした音楽には、いっそう磨きがかけられて、ちょっと神がかり的な峻厳さが認められる」と、高い評価をいただきました。

CMCD-20107~8 同じく團伊玖磨の歌曲集『團伊玖磨:歌曲集「マレー乙女の歌へる」/永井和子、大和田葉子、小谷彩子』(CMCD-20107~8)も【特選盤】に選ばれました。
 誌面では畑中良輔氏から「ここでの永井和子の名唱、大和田葉子のフルート、小谷彩子の精緻なピアノ、この3人の共演の、水も漏らさぬ見事な解釈と演奏が聴く者を捉えて離さない」と評価され、喜多尾道冬氏からは、「(永井の歌唱は)音符は身体の一部となるほど血肉化され、身体自身が声と言葉となって歌い出してると言えるほどだ。(中略)小谷のピアノは一貫してクール。(中略)大和田のフルートは広々とした空気感と清涼感が好ましい」と、高い評価をいただきました。

菅田富士江中里聡崎元讓 4月29日(祝)に東京文化会館 小ホールで行われました崎元讓(ハーモニカ)/中里聡(ハーモニカ)/菅田富士江(ピアノ)による「ファンタスティック・ハーモニカデュオ」の公演におきまして、会場ロビーにて東日本大震災・義援金募金活動を行い、ご来場の皆様よりたくさんのご協力を頂きました。
 お寄せ頂きました義援金¥58,980は、日本赤十字社を通じて被災された皆様に寄付させていただきます。
 被災地の皆様の1日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

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