カメラータの6月新譜(5月25日発売)2タイトルをご紹介いたします。
1枚目は『ハイドン:2つのリラ・オルガニザータのための協奏曲全集&ノットゥルノ全集(フルート、オーボエと室内管弦楽版)/シュルツ、インデアミューレ、カメラータ・シュルツ』(CMCD-99062〜4)。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団首席ヴォルフガング・シュルツ(フルート)が、「リラ・オルガニザータ」という楽器のために作曲されたハイドン作品をフルートとオーボエに置き換え演奏。「リラ・オルガニザータ」は当時のナポリ王、フェルディナントIV世が愛好した楽器で、ハイドンへ作曲を依頼しこのアルバムに収められた作品が献呈されました。いずれも古典派の形式美にあふれ、ハイドンらしいオーケストレーションと素朴で愛らしい旋律は、聴き手に至福のひとときもたらします。さらに、ノットゥルノでは、あのエルンスト・オッテンザマーの2人の息子たちが豪華共演。長男ダニエル・オッテンザマーは現在ウィーン・フィル、弟アンドレアス・オッテンザマーはベルリン・フィルでそれぞれ首席クラリネット奏者を務めています。名手トーマス・インデアミューレ(オーボエ)、シュルツ・ファミリーを中心としたカメラータ・シュルツら豪華メンバーと共に奏でるハイドンの名作をぜひお聴きください。
2枚目は『新実徳英:ヴァイオリン協奏曲 第2番〈スピラ・ヴィターリス〉〜管弦楽作品集』(CMCD-28237)。日本の現代音楽界を代表する作曲家のひとり、新実徳英による作品集の管弦楽作品を集めた最新作です。2009年に誕生した「ヴァイオリン協奏曲 第2番〈スピラ・ヴィターリス〉」。スピラ=螺旋、ヴィターリス=生命と題されたこの作品は、宇宙の銀河系や地球の自転、公転、そして私たちの人体にあるDNAの構造など、あらゆる生命体にみられる「螺旋」を音楽の形式と作品コンセプトに結びつけた、新実の意欲作です。渡辺玲子(ヴァイオリン)入魂の演奏も必聴。他に新実の管弦楽作品2曲をカップリング。生命力あふれる音とリズムが聴き手を包み込む、新実のヴィヴィッドな3作品を堪能できるアルバムです。