カメラータの7月新譜(6月25日発売)は3タイトルです。
1枚目は『ドヴォルジャーク:弦楽四重奏のための「糸杉」B.152、弦楽四重奏曲 第13番 ト長調 作品106/パノハ弦楽四重奏団』(CMCD-28206)。結成40年以上の長きに亘り、チェコで伝統的なカルテットとして活動し、国際的な名声を勝ち得ているパノハ弦楽四重奏団による待望の新譜です。この度収録されたドヴォルジャークの『糸杉』はこれまでにも度々演奏されてきた彼らの十八番ともいえる作品ですが、今回は過去の演奏をさらに上回るような最高の演奏を披露。同郷の作曲家へこめられた愛情と慈しみが極上の音楽となって結実した、まさに珠玉の名盤です。
2枚目は『フランク:ソナタ イ長調(フルート版)/フェリックス・レングリ』(CMCD-28207)。フルート界の名手、オーレル・ニコレの愛弟子であり、ハインツ・ホリガーからも多大なる影響をうけたフェリックス・レングリ(フルート)による、カメラータからのソロ・デビュー盤です。本アルバムではフランクのソナタをメインにドヴォルジャークやゴベールなど、19世紀ロマン派の叙情的な作品をセレクト。やさしく包み込むような音色で情感たっぷりに聴かせます。今年8月には「草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル」で演奏者および講師として来日するレングリの最新作として、フルート・ファンならずとも注目作となるでしょう。なお、ジャケットの表紙写真もレングリ自身による撮影となっています。
3枚目は『カール・レーヴェ:バラードと歌曲の世界/佐藤征一郎・高橋アキ』(CDT-1082〜3)。歌曲なのに歌曲ではない。オペラでもない。しかし1つの作品で劇場空間を作りだすドイツの作曲家、カール・レーヴェの世界。ドイツを中心にオペラ歌手として活躍し、レーヴェ研究の第一人者としても知られる佐藤征一郎(バス・バリトン)が邦人初のレーヴェ・アルバムとして満を持してリリースしました。シリアスさとユーモラスさ、闇と光が共存する玉手箱のようなレーヴェ・ワールドの扉を開ける1枚として貴重なアルバムとなることでしょう。佐藤の表情豊かな歌唱を好サポートする高橋アキのピアノにもご注目ください。