カメラータの1月新譜(12月20日発売)は3タイトルです。
1枚目は『ベートーヴェン&ブラームス:三重奏曲(トロンボーン版)/バウスフィールド、ヘーデンボルク、岡田』(CMCD-28209)。カメラータでのデビュー盤『ソロ・トロンボーン』(CMCD-28117)で驚愕のテクニックを披露したイアン・バウスフィールドによる待望の新作です。今回は、同じウィーン・フィルの仲間であるヴァイオリニスト、ヴィルフリート・和樹・ヘーデンボルク、そしてピアニスト、岡田博美でアンサンブルを組み、ベートーヴェンのトリオとソナタ、そしてブラームスのトリオに挑みました。最大の聴きどころは、ホルンやファゴットのために作曲された作品をアレンジすることなく、オリジナルの譜面そのままにトロンボーンで演奏している、というところ。高度なテクニックだけではなく、音楽的にも聴きどころの満載のアルバムに仕上がりました。
2枚目は『シューベルト:ピアノ・ソナタ D.958 & D.959/高橋アキ』(CMCD-28193)。2007年にリリースされた『シューベルト:ピアノ・ソナタ D.958 & D.959』(CMCD-28141)で第58回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞、現代作品のピアニストというイメージを覆した高橋アキ(ピアノ)によるシューベルトの第2弾です。今回のアルバムでは、シューベルトの死の2ヶ月ほど前に書きあげられた2つの「遺作」を収録。深くそしてドラマティックな演奏で、シューベルトの真髄へと迫ります。
3枚目は『西村 朗:オーケストラのための〈蘇莫者(そまくしゃ)〉/大阪センチュリー交響楽団、沼尻竜典』(CMCD-28199)。「蘇莫者(そまくしゃ)」とは、大阪の四天王寺楽人が作舞・作曲したと伝えられ、物語は聖徳太子にまつわる伝説にもとづいていると言われています。本アルバムではその神秘的な「蘇莫者」からインスパイアされた西村 朗の最新作を、大阪センチュリー交響楽団と沼尻竜典(指揮)の演奏で丹念にセッション収録しました。またひとつ、西村の描く新たな世界が広がるアルバムです。
年内のカメラータ・トウキョウからの新譜リリースはこれで最後になります。来たる2010年もカメラータが企画/制作するCDおよびコンサートにご注目くださいますようお願い申し上げます。