カメラータの1月新譜(11月25日発売)は2タイトルです。
1枚目は『モーツァルト:ピアノ・ソナタ集/諸戸詩乃』(CMCD-28188)。才能あふれる1993年生まれの若きピアニスト、諸戸詩乃(もろと・しの)のデビュー・アルバムです。諸戸は2003年にウィーンに渡り、2008年に弱冠15歳でウィーン国立音楽大学へ飛び級最年少入学。エリザベート・ドヴォラック=ヴァイスハール、ハンス・ライグラフらに師事し、2005年にウィーンのフィガロザールでソロ・リサイタル・デビュー。同年、フィリップ・アントルモンに認められて、NHKの「スーパーピアノレッスン」モーツァルト編に出演。アントルモンから「質の高い演奏」との評価を受けるなど、今後の成長を確信させるピアニストです。曲目はオール・モーツァルトで、諸戸の豊かな音楽性と確かなテクニックが随所に輝く仕上がり。要注目のアルバムです。
2枚目は『ハイドン:ピアノ協奏曲集/ローランド・バティック,ビジャン・カデム=ミサーク,アカデミア・アレグロ・ヴィーヴォ』(CMCD-28192)。奇才フリードリヒ・グルダの愛弟子、ローランド・バティック(ピアノ)の最新作です。今回バティックが挑んだ作品はハイドンのピアノ協奏曲。現在もロングセラーを続けているハイドンのピアノ・ソナタ全集でも知られている通り、バティックのハイドンには、解放感あふれる自由さ、新鮮さがあります。特にバティックならではの遊び心あふれるカデンツァは必聴。クラシックとジャズを華麗に弾きこなす彼の面目躍如といえるでしょう。そのバティックを支えるビジャン・カデム=ミサーク(指揮)率いるアカデミア・アレグロ・ヴィーヴォは今回カメラータのカタログに初登場。“ハイドン・イヤー”の締めくくりにふさわしいアルバムです。