平成20年度(第63回)文化庁芸術祭のレコード部門において、カメラータ・トウキョウから発売されたアルバム2タイトルが【優秀賞】をダブル受賞しました。
『三善 晃の音楽/沼尻竜典&東京フィル ほか』(CMCD-99036〜8)
『危険な夜─高橋アキ プレイズ ジョン・ケージ』(CMCD-28142)
『三善 晃の音楽』は、今年の10月に発売された3枚組のアルバムで、三善 晃の代表的なオーケストラ作品をメインに近年の音源を集めた作品集です。日本を代表する作曲家である三善は、自身の創作活動や作品の音源化などに対し、決して妥協を許さない作曲家のひとりとしても知られていますが、このアルバムは三善本人による監修のもと制作されました。
音源は2003年から翌年にかけて沼尻竜典(指揮)&東京フィルハーモニー交響楽団を中心に行われた記念碑的コンサート・シリーズのライヴ録音。3枚のディスクはそれぞれ「管弦楽曲と協奏曲」「響きの世界」「言葉の世界」と題され、各ディスクに収録された日本を代表するソリストたちの好演も必聴です。発売直後から雑誌・新聞などの各メディアをはじめ音楽ファンのブログなどでも絶賛され、現在もオーダーが途絶えることのないアルバムです。
『危険な夜』は、1年前の12月に発売された高橋アキ(ピアノ)のソロ・アルバムです。
同年9月発売の『シューベルト:ピアノ・ソナタ集』で"現代音楽の演奏家"というパブリック・イメージを覆す高評価を得た高橋ですが、次に取り組んだのはこのジョン・ケージの作品集でした。ジャケット写真(1981年撮影)をご覧になればお分かりの通り、高橋は生前のケージと親交が深い演奏家の一人でした。本アルバムはそのケージ作品の中でも、"プリペアード・ピアノ"のための作品を中心に収録。弦の間に金属のボルトなどを挟み、本来とはまったく違った音色が出るように"プリペアード"されたピアノで演奏される作品は、60年もの時を経た作品とは思えない新鮮な音となって耳に響きます。時に鋭く、時に繊細な演奏、ホールの響きと静寂を捉えたクオリティーの高い録音にもご注目ください。
カメラータならではの芸術祭受賞アルバム、機会がありましたらぜひご一聴ください。
■芸術祭の詳細は文化庁ホームページをご覧ください。