2008年2月アーカイブ

 わが国の現代音楽の分野で優れた業績をあげた個人または団体に贈呈される「中島健蔵音楽賞」の平成19年度第26回受賞者に、弊社代表取締役会長の井阪 紘が選ばれました。「長年にわたり、多数の邦人作品をレコーディングし、内外に発信しつづけたプロデューサーとしての功績に対して」贈られたもので、去る2月27日に授賞式が行なわれました。
 井阪は「邦人作品の紹介は、弊社レコード制作の柱のひとつと考えておりますので、その点を評価していただき大変嬉しく思っております。今後も優れた邦人作品の制作・紹介に務めて行きたいと思います」と語っていました。

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▲左:授賞式は2月27日に東京銀行協会内の銀行倶楽部ホールで行われた
▲右:先行経緯と授賞理由を説明する諸井 誠・運営委員長(選考委員長兼任)

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▲左:諸井委員長より表彰楯を授与される井阪 紘
▲右:懇親会で運営委員・選考委員の各氏と(左より西村 朗、木村かをり、井阪 紘、田中信昭)
[※敬称略/写真はクリックで拡大できます]

カール・ライスター 「レコーディング・ニュース」ページに2月上旬の海外レコーディングの様子を追加しました。

 まずは毎年2月にフェルトキルヒで行われる、カール・ライスター(クラリネット)&フェレンツ・ボーグナー(ピアノ)によるデュオ。今回は"ベルカント"と題し、オペラの幻想曲やアリアの編曲を中心とした選曲。70歳を超えてもなお精力的なライスターが、文字通り"クラリネットで歌う"アルバムになりました。
 フェルトキルヒでのレコーディングを終えてイタリアに移動。近年、カメラータのイタリア録音で重要な拠点になりつつある聖クローチェ美術館で、イ・ソリスティ・ディ・ペルージャの単独レコーディング。今回のテーマはシューベルトで、マーラーの編曲した「死と乙女」など、珍しい作品を室内オーケストラでレコーディングしました。

●2008年2月(フェルトキルヒ)のレコーディング・ニュースのページへ
●2008年2月(イタリア)のレコーディング・ニュースのページへ

CMCD-28147 日本の現代音楽界を代表する作曲家の一人、西村 朗が2007年に発表したオーケストラ作品、「幻影とマントラ」が2007年度(第56回)の尾高賞を受賞いたしました。
 同作品は昨年10月にカメラータよりリリースされた「西村 朗:幻影とマントラ/西村 朗 管弦楽作品集」(CMCD-28147)にて、飯森範親(指揮)&ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管の委嘱新作として世界初演・収録された作品です。
 西村の尾高賞受賞は、第36回(1987年度)、第40回(1991年度)、第41回(1992年度)に続く4度目の快挙。このうち3作品は、カメラータからCDが発売されています。

●幻影とマントラ/西村 朗 管弦楽作品集(CMCD-28147)
 第56回受賞作品「幻影とマントラ〜オーケストラのための」を収録
●蓮華化生(れんげけしょう)...西村 朗 管弦楽作品(CMCD-20016〜7)
 第36回受賞作品「2台のピアノと管弦楽のためのヘテロフォニー」を収録
●永遠なる混沌の光の中へ/西村 朗(30CM-199)
 第41回受賞作品「永遠なる渾沌の光の中へ」を収録

 また、同作品は、7月に東京オペラシティ コンサートホールで開催される「Music Tomorrow 2008」にて演奏される予定です。

シェレンベルガー 元ベルリン・フィルの首席オーボエ奏者として知られ、現在はソロやアンサンブル・ウィーン=ベルリンのメンバーとして活躍するハンスイェルク・シェレンベルガーが、現在弊社の招聘により来日中です。
 最近では指揮者としての活動にも意欲的なシェレンベルガーですが、先日のサントリーホール(東京)でのNHK交響楽団 定期公演で、指揮者としても非凡な一面を披露しました。
 演奏活動のかたわら、10年前に創設した自身のレーベル「カンパネラ・ムジカ」から久々の新譜「ロマン派の変貌──ライネッケからニールセンへ──室内楽作品集」(CAMP-8015/直輸入盤)を今月20日にリリースしたばかり。カメラータでは同レーベルの創設間もない頃から日本でのリリースをサポートしてきました。
 そんな多忙なシェレンベルガーのインタヴュー記事が、本日(2008年2月22日)の朝日新聞の夕刊に掲載されました。「管楽器のアンサンブルに色々な編成があるように、(演奏活動も)常に自由かつ柔軟でありたい」と語るシェレンベルガーは、3月上旬まで日本各地で公演を行います(詳しくはコンサートのページをご覧ください)。コンサートはもちろん、「カンパネラ」のCDも併せてシェレンベルガーの演奏をお楽しみください。

ゲルハーヘル★02/22 UPDATED!(初出:02/15)

 大好評を博した下記のクリスティアン・ゲルハーヘルのマーラーが、NHK教育・地上波の人気番組「N響アワー」でも急遽オンエアが決定いたしました。ぜひご覧ください。

【放送日】
 2008年2月24日(日) 午後09:00〜10:00
 NHK教育「N響アワー」〜マーラーとベルク・ウィーン・悲愁の調べ


 先月から今月にかけ弊社の招聘で5年ぶりに来日、各地で絶賛を浴びたバリトン歌手、クリスティアン・ゲルハーヘルのコンサートが早くもテレビに登場します!
 今回はNHK交響楽団の定期公演で披露されたマーラーの「さすらう若人の歌」がオンエアされます。いま最も注目を集めているバリトン歌手、ゲルハーヘルの歌声をぜひご堪能ください。

●第1612回 N響定期公演/クリスティアン・ゲルハーヘル
[2008年1月23日/東京・サントリーホールにて収録]

【放送日】
 2008年2月22日(金) 午前10:00〜11:39
 BS2「クラシック倶楽部」(Bモード・ステレオ)

 2008年2月27日(水) 午前8:00〜10:00
 BSハイビジョン「ハイビジョン 秀作選」(Bモード・ステレオ)

【曲目】
マーラー:「さすらう若人の歌」

【演奏者】
 クリスティアン・ゲルハーヘル(バリトン)
 ヘルベルト・ブロムシュテット(指揮)/NHK交響楽団

※放送日や内容については、予告なく変更になることがございます。あしからずご了承ください。

東 誠三●東 誠三 ピアノ・リサイタル
[2005年12月20日/紀尾井ホールにて収録]

【放送日】
 2008年2月28日(木)午前10:55〜11:50
 BS2「クラシック倶楽部」〜クラシック・アラカルト(Bモード・ステレオ)

【曲目】
 ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」

【演奏者】
 東 誠三(ピアノ)

※放送日や内容については、予告なく変更になる場合がございます。あしからずご了承ください。

 カメラータからの2月新譜は通常の2タイトルに、「カンパネラ・ムジカ」から久々の新譜が加わります。

CMCD-28149 1枚目は「ハンス・ガル:ピアノ三重奏曲集/ドリス&カリーン・アダム、クリストフ・シュトラートナー」(CMCD-28149)。マーラーやシェーンベルクなど、新たな世代を生み出した20世紀初頭のウィーン。しかしその一方で、伝統に根ざしながらも新たな流れを求めた作曲家のひとりにハンス・ガルがいました。どこかブラームスを思わせるような彼のロマンティックな作品を、ドリス(ピアノ)&カリーン・アダム(ヴァイオリン)と、ウィーン交響楽団のチェリスト、クリストフ・シュトラートナーが美しく奏でます。
 なお本アルバムは、『レコード芸術』3月号(音楽之友社/2月19日発売)の「話題のNEW DISC」コーナーでも採り上げられています。

CMCD-28134 2枚目は「J.S.バッハ:シャコンヌ─無伴奏チェロ作品集/岩崎 洸」(CMCD-28134)。アメリカを中心に活躍するチェリスト、岩崎 洸の最新アルバムで、カメラータからは久々のリリースとなります。タイトル通り無伴奏チェロ作品を集めたアルバムですが、中でも注目は岩崎自身がアレンジも手がけた、チェロで弾くバッハのシャコンヌ黛 敏郎の「文楽」も出色の仕上がり。
 なお岩崎は、5月中旬に東京と富山で本アルバムの収録曲をメインにした無伴奏リサイタルを行います。チケットは3月上旬発売予定で、詳細は弊社のコンサートのページでご案内する予定です。

CAMP-8015 3枚目は「ロマン派の変貌──ライネッケからニールセンへ──室内楽作品集」(CAMP-8015)。「カンパネラ・ムジカ」レーベルからの久々の新譜です。「カンパネラ・ムジカ」はアンサンブル・ウィーン=ベルリンのオーボエ奏者、ハンスイェルク・シェレンベルガーが手がけるレーベルで、カメラータでは同レーベルが創設された10年ほど前から日本国内でのリリースをサポートしてきました。今回はライネッケやヘルツォーゲンベルクなどロマン派の作曲家の作品を中心に収録。『レコード芸術』3月号の「New Disc Collection」コーナーでも「まさに乾坤一擲、入魂の会心作」(近藤憲一氏)と評されています。なお、本アルバムは直輸入盤ですが、これまで通り日本語訳された詳細な解説を添付して販売いたします。
 またシェレンベルガーは現在、弊社の招聘により来日中。今回はオーボエだけでなく指揮者としての手腕も披露される予定です。詳しくは弊社のコンサートのページをご覧ください。

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 2月発売の新譜より「ドリームタイム」のDVDを2タイトルご紹介します。
 1タイトル目は「シノーポリの芸術〜コンサート・フォー・ピース・シリーズ」(JPBX-13806)。若くしてこの世を去った ジュゼッペ・シノーポリですが、このDVDはまさに彼が急逝した2001年のコンサートをライヴ収録したものです。収録作品はブラームスの交響曲 第2番と、ヴァイオリンにギドン・クレーメルを迎えてのヴァイオリンとチェロのための協奏曲 イ短調 作品102を収録しています。

 2タイトル目は「 マイスキーの芸術〜マイスキー:ドヴォルザーク/チェロ協奏曲」(JPBX-13807)。現在のチェロ界を代表するミッシャ・マイスキーによる2003年のコンサートをとらえたDVDです。プログラムはドヴォルジャークのチェロ協奏曲、ストラヴィンスキーの「火の鳥」(全曲版)で、繊細さとダイナミックさを兼ね備えたマイスキーの魅力を充分に楽しめます。

 以上2タイトルとも、通常のCDと同じコンパクトなジュエルケース仕様でのリリースです。

パノハSQ●パノハ弦楽四重奏団
[2007年10月5日/東京・浜離宮朝日ホールにて収録]

【放送日】
 2008年2月22日(金)午後07:30〜09:10
 NHK-FM「ベストオブクラシック」

【演奏者】
 パノハ弦楽四重奏団

※放送日や内容については、予告なく変更になる場合がございます。あしからずご了承ください。

 カメラータから多数のCDをリリースしている作曲家、西村 朗の著作『作曲家がゆく 西村 朗 対話集』が、ミュージック・ペンクラブ・ジャパンが主催する、第20回(2007年度)の「ミュージック・ペンクラブ音楽賞」最優秀著作出版物賞を受賞しました。
 『作曲家がゆく』は、『レコード芸術』誌での西村による人気連載を1冊にまとめ、2007年5月に春秋社より出版されました。同じ作曲家として時代を共有する池辺晋一郎、佐藤聰明、新実徳英、吉松 隆らを始め、評論家の石田一志、ピアニストの高橋アキまで(敬称略)、西村 朗との対話を通して"現代の現在"を浮き彫りにする著作です。対話者の主要なディスコグラフィーも掲載され、資料的価値も高い一冊に仕上がっています。

【ミュージック・ペンクラブ・ジャパン】
1966年、音楽評論家・批評家により著述原稿にまつわる権利保護を目的とし、『音楽執筆者協議会』という名称で40名程のメンバーで発足。1994年に現在の『ミュージック・ペンクラブ・ジャパン』に名称を変更。現在の登録会員は約200名。設立時より、クラシック、ポピュラー、オーディオの会員がジャンルを越えて参加・交流をはかっている。
昨年(第19回)は弊社代表取締役会長 井阪 紘の著作『一枚のディスクに レコード・プロデューサーの仕事』(春秋社)「著作出版物賞」を受賞している。

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