今年も残すところわずかとなりました。例年通り弊社の12月新譜は5日繰り上がって15日の発売となります。
1枚目は「ほんとうの唱歌史『海ゆかば』〜'保育唱歌'から'國民唱歌'まで/藍川由美」(CMCD-28143)。1年半ぶりとなる藍川由美の新作です。収録曲のいくつかは現在"軍歌"としてカテゴライズされる作品が含まれますが、藍川は唱歌の歴史やその唱歌に関わった作曲家像を紐解いてゆく上で、これらの作品は無視できない存在であると述べています。
今回のアルバムでは、通常ならば省略されることが多い長い歌詞も全て歌い、ブックレットにはその歌詞はもちろんの事、楽譜や歌詞の詳細な出典を記載し、資料的価値も高いアルバムに仕上がりました。
なお藍川は、来たる12月25日(火)に東京文化会館小ホールにてリサイタル「教科書で習った歌〜戦前編」を行います。今回のアルバムとリンクしたプログラムが予定されていますので、ぜひ本アルバムとリサイタルの両方をお楽しみください。
■リサイタル詳細情報・チケットのお問い合わせは以下まで。
藍川由美ホームページ/オフィス小野寺(050-7511-8457)
2枚目の「松村禎三 作品選集 V/ピアノ協奏曲 第1番&チェロ協奏曲」(CMCD-25036)は今年8月にこの世を去った現代作品の作曲家、松村禎三のアルバムです。本作は"追悼盤"となってはいますが、実際には松村本人が生前から強く希望していたカップリングに基づき企画されたもので、松村の急逝により図らずも追悼盤となってしまったアルバムです。
「ピアノ協奏曲 第1番」は1973年、松村が手がけた初めての協奏曲として大きな注目を浴びました。これに生前の松村のリクエスト通り、1983年作の「チェロ協奏曲」をカップリングしての発売です。
ブックレットには、生前の松村と交流があった西耕一氏の協力による「松村禎三 作品一覧」、「レコード芸術」誌より弊社プロデューサー井阪 紘と松村の対談記事(抜粋)を掲載。音楽を通じ常に"生命"を見つめ続けた作曲家の軌跡をお聴きください。
※お知らせ:一部の媒体で「危険な夜─高橋アキ プレイズ ジョン・ケージ」(CMCD-28142)を12月15日発売と告知していましたが、諸般の事情により5日遅れの12月20日発売に変更となりました。ご迷惑をおかけしますが、本ニュースページでも後日改めて紹介いたしますのでご了承ください。