"Pure Freunde"と題された記事が、ウィーン楽友協会の「Musikfreunde」誌5月号に載せられたウィーン弦楽四重奏団は、1964年4月6日にブラームスザールで第一回目のコンサートを開いて以来、ウィーンの聴衆から永く愛され、多くのファンを持ち、ウィーンの室内楽の中心的存在として活躍し、今年で創立40周年を迎えました。
その始めてのコンサートの時、ウェルナー・ヒンクは21歳になって半月。あの頃は本当に若かった......と、当時を思い起こして話してくれました。僕が彼等と仕事を始めた頃、ヒンクは30歳、1973年でした。以来、25周年のコンサートには、その日ブラームスザールに来られたお客全員に、カメラータからCDをプレゼントした思い出もあります。
創設以来のメンバーは、ヒンクのみとなりました。第2ヴァイオリンは、アントン・シュトラッカが1年が務めた後、ヘルムート・プッフラーが1977年まで。後を、フーベルト・クロイザマーが引き継いで今日に至っています。チェロもラインハルト・レップから、フリッツ・ドレシャルに、ヴィオラもクラウス・パイシュタイナーから、ハンス・ペーター・オクセンホファーに。この長い歴史の中でウィーン弦楽四重奏団は多くのレコーディングを我々のレーベルに残し、今も、ハイドンの新録音を計画中です。
5月26日に楽友協会のブラームスザールで行われた40周年記念演奏会は、今年のウィーン・フェストボッヘンの一環として取り上げられています。選ばれたプログラムは奇しくも、25周年に配ったCDに収録されていた3曲のうち2曲、すなわち、ハイドン:弦楽四重奏曲 ハ長調 作品76-3「皇帝」、シューベルト:弦楽四重奏曲 第14番 ニ短調 D.810「死と乙女」に、ウェーベルン:弦楽四重奏のための5つの楽章 作品5を加えたプログラムとなりました。今年の12月10日に予定されている来日コンサートでも、同プログラムを演奏する予定です。
[プロデューサー:井阪 紘]
満席のブラームスザールで行われた40周年の記念演奏会。
左:街頭に貼り出された告知ポスター
右:1990年3月、25周年記念コンサートで配付された記念CD(非売品)